「SF映画のような、ロボットが自動で建築を作る世界はいつ来るんだろう?」
「これだけテクノロジーが進化した世の中、もうすぐそこまで来てるのでは?」
SFも建築も好きな私はよく、そういった空想にふけっています
同じような趣向の方、ぜひ語らいましょう!
少し脱線しましたが、そんなSFのような世界はいつ来るのか?
結論から言うと、それはまだまだ先です。(アバウトですが、、、)
ですが、実現できるものです。
実現できるものであることを解説するために、完全自動化できない理由を考えます。
大きく分けて下記の3つ
1. 求められているのは「どこでも、なんでもできる」ロボット
2. 事故の責任はだれが負うのか
3. 建設作業の複雑さ
が障害として挙げられます
求められているのは「どこでも、なんでもできる」ロボット
「そんなドラえもんみたいなロボットが必要なの?」
と思うかもしれませんが、建設業を完全自動化するには絶対に必要なことなのです。
産業におけるロボットは通常、問題が起きづらいよう管理され、限られた空間で、組立ライン等の決まった仕事をこなすものです
つまり、割り当てられた作業を淡々とこなすためのものということになります
しかし、建設現場はあらゆる不確実性に満ちています
天気や気温に左右され、周囲の環境によっても状況は変わり、工程によって工法が変わることだってあります
そんな中で作業するロボットには、濡れていても乾いていても、暑くても寒くても、砂地でも水場でも、開放的な空間でも狭い空間でも、頻繁に変化する環境の中で作業することが求められます。
このような動作条件に適応したロボットを作るには、コストも技術もとてつもないものが求められる
だからまだまだ難しい、ということですね
事故の責任はだれが負うのか
「自動運転の事故の責任はだれにある?」
といった問題にも似ています
建築工事の安全性について、現在は「公的資格を持った人間」の法的責任によって安全性が保証されています
少し雑な言い方になりますが、資格を持った人間に責任を負わせることで、安全性を確保し、その対価として賃金を与える、ということですね
それでは、ロボットが労働者にとって代わる場合、
安全性の保証をロボットに課すことができるのでしょうか?
事故が起こった時、それはロボットを使用している建設会社の責任でしょうか?
それとも、ロボットの製造元の会社でしょうか?
いずれにせよ、解決しなければいけない問題ですよね
建設作業の複雑さ
建設プロジェクトには、鉄筋コンクリート造の建築で言えば、鉄筋の配筋、コンクリートの型枠・打設、等々、いくつもの工程があります
そして、基礎、躯体、外壁、内壁、屋根といったいくつもの段階に分かれています。
それぞれの作業に対応するロボットは出来つつありますが、
様々な作業をするロボットたちを自動で管理するシステムはまだありません
自動で管理するシステムの開発には、施工管理に関する深い知識と、建設フローの理解が必要ですが、これらに関する研究や科学的なモデルが不足しています
施工管理の知識や、建設フローの理解といったものは現在、現場内での体験で身に着けていくものとされている為、なかなかフィードバックされづらい情報となっているのも原因ともいえますね
それぞれの作業の自動化は今後どんどん進んでいきますが、完全な自動化の実現にはまだまだ長い道のりがありそうです
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SF映画に見た、夢のような建築の世界はまだまだ先です
ちょっとがっかり、、、
ですが、道のりが長いと感じられ、何が問題かも見つかっている、ということは
実現できるものである、ということでもあります!
建設工事の完全自動化には、生産コスト、人件費等に対してのメリットだけでなく、建設業界を取り巻く様々な問題の解決にもつながるものと信じています!
ですので、ぜひ開発されてほしいテクノロジーですね!!
今回の原文はこちら
https://www.archdaily.com/945761/a-fully-automated-construction-industry-still-a-long-road-ahead