2015年に合意されたパリ協定にて、
「地球温暖化による海面上昇を抑えるため、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて
1.5℃以内に抑える努力を追求すること(1.5℃目標)」
という目標が掲げられました。
そして、この1.5℃目標を達成するためには、様々な分野にて『ゼロエミッション』を達成していく必要があります。
※ゼロエミッション・・・生産活動から出る廃棄物のうち最終処分(埋め立て処分)する量をゼロにすること
いきなり耳の痛い話ですみません、が、だからと言って避けて通れることではありませんよね。
当然ですが、建築業界も例外ではなく、
むしろ、環境問題は他業界よりも深刻かもしれません。
世界で2番目に使われている物質
建築業界には、世界で2番目に使用されている物質があります。
(ちなみに、1番は水)
まあ、タイトルにもある通り、コンクリートなわけです。
それだけ使われてるのが何が悪いのか、
むしろ建築業に関する素材が水の次に使われているなんて、誇らしい気さえします。
世界のCO2の10%
次に見ていただきたい事実がこちら、
「世界の産業におけるCO2排出量の約10%はコンクリートの製造等から出ている」
そして、
「世界的に、特に中国、インド、アメリカで需要が増加し続けている」
まとめると
・水に次いで、世界で2番目に使われている物質
・世界の産業からでるCO2総排出量の約10%が発生
・需要は世界的にまだまだ伸びている
⇒コンクリート
なわけです。なんとも恐ろしい話ですね。。
そんなネガティブな話だけしていても仕方がないので、本題、
「コンクリートは持続可能になるのか」
について考えていきましょう。
方法は1つ、ではなく複合的に
「コンクリートでゼロエミッションを達成するためには、1つの解決策ではなく、大小含めた、様々な変化が必要」
コンクリートの脱炭素化を進めるプロジェクトの代表、エリックマサネット氏
実は、コンクリートをサステナブルにしよう!とする動きは様々な国で起きています。
そんな中、エリック氏は、
どの方法が最も良いか、ではなく、様々な方法を用いることで達成できる、としているわけですね。
では、どんな方法が世の中にはあるのか。
それを知るには「コンクリートをサステナブルにする為の方策」を、大きく二分してとらえると理解しやすくなります。
CO2排出量の少ないコンクリートをつくる
簡単にいうと、新しく使うコンクリートを排出量の少ないものにしよう!ということですね。
コンクリートから発生するCO2の大部分はセメントからの発生のため、
主に、セメントを使わないでコンクリートを作る方法の開発が進んでいます。
下記、例としまして。
東大が開発した、食品廃棄物からつくるコンクリート
色味がキレイで、使ってみたい!!
実用化はいつだろ👀 pic.twitter.com/6WBspwgocb— つじしゅん@スゴイ建築.com (@tsuji_sugoken) June 14, 2021
ノルウェーの企業、SnøhettaとSaferockが提携し、よりサステナブルなジオポリマーコンクリート※を販売開始!
(※セメントを使わず地球由来の素材で作るコンクリート)世界CO2排出量のうち8%を占めるセメントを使わないことで、従来のコンクリートのCO2排出量を70%も削減!!
建設がサステナブルに🌎 pic.twitter.com/drf2ZrrE32
— つじしゅん@スゴイ建築.com (@tsuji_sugoken) June 7, 2021
使用料、廃棄量を減らす
2つ目の方策として、
なるべくコンクリートを使わないこと、や
コンクリートの廃棄量を減らそうとする動きがあります。
コンクリートの使用量を減らす方法としては、
・3Dプリントを駆使するなど、必要最低限のコンクリートを使う(材料効率)
・既存建物の活用
・木造の採用
などが挙げられますね。
このように、
CO2排出量の少ないコンクリートを使い、使用量を減らし、廃棄量を減らすこと
全部やれ!ってことではなく、
単一の解決法はないのだから、やれることからやっていく。ただし、危機感を持ちながら。
そういった小さな行動も含めて、持続可能な社会を目指していきましょう!
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