突然ですが、これからの都市には何が必要でしょうか?
色々あるかとは思いますがやはり、第一に優先されるべきなのは、サステナブルであることでしょう。
SDGs(Sustainable Development Goals)にもあらわされている通り、
世界的に注目を集める「サステナブル」という言葉、意味は「持続可能な」となります。
環境問題、社会問題を軽減し、持続できる社会を作りましょう、ということですね。
そのために、まずは環境問題に対しての意識を変える必要がありますが、オススメの動画があります。
リエンタルラジオの中田敦彦こと「あっちゃん」がYouTubeにて配信している動画です。
よかったら視聴してみてください。
さて、話をもどしまして、サステナブルについて、都市に対してはどのようにとらえていくべきか。
そこでのキーワードとなる概念に「Future-Proof」と「Resilience」があります。
Future-Proof
フューチャープルーフとは、直訳すると「未来を守る」となりますが、
定義としては「未来を予測し、計画すること」。
そのためには、有害な影響を軽減し、発生する可能性のある被害を防ぐための事前対策を講じることが必要です。
そして、建物から道路に至るまで、この「フューチャープルーフ」を考えて計画することが大事になります。
Resilience
レジリエンスを直訳すると、「反発性、弾力性」となりますが、
「外からの力が加わっても、また元の姿に戻れる力」というニュアンスで使われます。
要するに、柔軟な強さを持った都市を作ろう、ということ。
オランダの都市計画家であり、建築デザインネットワーク「UNStudio」の共同創設者でもあるキャロライン・ボスによると、
「都市を未来から守るという行為(Future-Proof)は、弾力性のある都市を計画すること(Resilience)と同義である」
としています。
レジリエンスを高めるための4つの重要な取り組み
Future-ProofもResilienceも分かったけど、じゃあ実際どうするの?
そこで、都市のレジリエンスを高める4つの取り組みを紹介します。
経済的に計画可能な都市
ここでいう、「経済的」とは単に金銭面的に、ということではなく、
「経済設計」等の言葉に使われるような「無駄のない計画」ということになります。
この「無駄」というのを都市に当てはめると、
「面積や密度、理想的アクセス、段階的な配置、使いやすさ、環境意識」
などの様々なパラメータが絡んでくることとなります。
このような考えに基づき、BIG(Bjarke Ingels Group)は世界初のアーバンインキュベーターのために、
自動車、代替移動、建築環境、人、自然のバランスが新たに生まれた、
つながりのある都市を提案するプロジェクトをデザインしました。
多機能都市地区
レジリエンスの高い都市は、あらゆるタイプの住民にサービスを提供できるような機能が混在していて、
多様なプログラムが明確な都市地区を作ることは、本質的に利用者の幸福に応えるものです。
サンフランシスコのウォーターフロントにある最近のプロジェクトでは、
28エーカーの土地を複合用途の都市部へと変貌させました。
住宅、オフィススペース、小売店、オープンスペースを特徴とするミッションロックは、
新しいコミュニティのハブを作成することを目指しています。
都市の交通システムの革新的なソリューション
効率的なインフラと公共交通システムは、レジリエンスのある都市の中核をなしています。
環境、経済、社会に大きな影響を与える中で、
都市の中心部や新しい地区では自動車交通がますます排除されつつあり、
新しい共有電気交通の選択肢、歩行者の利用、自転車の普及が進んでいます。
次世代に向けた持続可能な建築環境
より小さなスケールでは、レジリエントな建築環境の原則として、
地域の素材の利用、システムの多様性、スマートエネルギーの利用、スキームの柔軟性、
耐久性、環境対応設計、低炭素化、安全性、感性、変化への適応性が挙げられます。
実際には、ユーザーの将来のニーズが急速に変化していく中で、
将来を見据えた柔軟な空間を生み出すためには、計画の可能性を見極める必要があります。
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自分が実際にたずさわっている建築設計において、
④のようなことは日本においてはまだまだ浸透していないことだと思います。
設計者の環境への意識が不十分で、今までと同じ作り方を安易に選んでしまう。
その結果、地域材やパッシブエネルギーの活用が進まない現状があると思います。
建築業界はまずはその意識を変え、それぞれが環境配慮を考え設計し、
世の中に発信していくことが重要になるのではないでしょうか。
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