皆さま、モンテッソーリ教育法という言葉、ご存じでしょうか?
最近、日本でも注目され始めた「モンテッソーリ教育法」、
マリア・モンテッソーリが20世紀の初めに提唱した、
子どもの個性、自主性、自尊心、自信を刺激する教育法です。
前世紀に作られた教育法ですが、その効果は科学的にも証明され始めていて、
子どもたちの学習と発達のため、教育関係の建築空間に応用されるケースが増えています。
モンテッソーリ教育法を受けて育った方について2011年にウォールストリートジャーナルがまとめており、その中には、
・Facebookの創設者である、マークザッカーバーグ
・Googleの創設者である、ラリーペイジ、セルゲイブリン
・Wikipediaの創設者である、ジミー・ウェールズ
・近代経営学の父として知られる、ピーター・ドラッカー
・Amazonの創設者である、ジェフェリー・ペゾス
などなど、そうそうたる面々が並びます。
今回は、そんなモンテッソーリ教育法について、
・中心となる「3本の柱」
・子どもを刺激する空間のポイント
・子どものための家具
という項目から見ていきます。
中心となる「3本の柱」
モンテッソーリ教育法を導入するうえで中心となる3本の柱として、下記のように定めています。
・子ども自身
・子どもの発達を理解している大人
・物理的な環境
これらのうち、どれか1つでも欠けると機能しません。
いくら子どもの発達への意識が高い大人がいても、理想的な環境が用意されていても、どちらか一方では意味がない。
子どもの発達に意識を向け、そのための環境も整備することが必要です。
子どもを刺激する空間のポイント
モンテッソーリ教育法にもとづき設計された部屋は「モンテッソーリルーム」とも呼ばれます。
そんなモンテッソーリルームを整備する上で以下のポイントを抑える必要があります。
シンプルさ
男の子、女の子で分けて考える必要はあまりなく、
明るい色や自然光を優先した、シンプルな空間であることが重要。
ミニマリズム
色やおもちゃなどの選択肢が多すぎると、混乱をまねく。
絞られた選択肢から子ども自身が選ぶことで、意思決定能力の発達を促進する。
整理整頓
自分の周りの環境が整理されていると、子どもの内面的な整理もされやすくなる傾向がある。
アクセスのしやすさ
子どもたちが大人の手を借りずに移動し、交流できること。
また、自分のほしいものを自分で手に入れることができるよう設計されている、など
子どもが自分の力で達成できることが大事。
安全性
子どもがリスクなく自由に探検できるよう、安全な環境である必要がある。
静かさ
モンテッソーリルームは集中力を促し、自律性を促す空間。
そのため、この部屋は最も静かな場所にあるべき。
静かな環境を作るために、電子機器は避けるべきです。
子どものための設備、家具
モンテッソーリは、子どもたちが必要なものを自分で手に入れることができる、
と感じられるよう、子どもに合わせた手の届きやすい家具を取り入れることの重要性を強調しています。
おすすめは、以下のような家具
ワードローブ
2、3着の服から自分自身で気候や気分に合わせて着替えられるよう、子どもの身長に合わせたワードローブ。
日常的に小さな決断をすることで、決断能力を向上させます。
ローシェルフ
自分でおもちゃを出したり、しまったりすることで、自己選択能力を養います。
テーブルと椅子
集中して活動できる、自分のためだけの場所となります。
小さな階段
持ち運びできる小さな階段があれば、子どもたちはあらゆるものを自分で手にすることができます。
装飾
壁にかけられているイラストや写真は子どもたちの興味を駆り立てます。
ただし、子どもが見やすい高さにあってこそ機能します。
イラストは、動物や果物、場所、人など、現実にあるものをモチーフとしたものを選びましょう。
赤ちゃんのための空間であれば白黒のコントラストの高い幾何学的なイラストが効果的です。
ハンガーと棚
適切な高さにハンガーや棚を設置することで、リュックやコートを自分でかけられるようになり、整理整頓しやすくします。
鏡とサポートバー
鏡があることで、子どもが自分自身の体や顔、表情を認識します。
感情を識別できるようになり、自分と親が別の人間であることを認識し、
さらに新しい動きを発見するのに役立ちます。
動きの幅を増やせるサポートバーがあるとより良いでしょう。
ベッド
寝室は子どもが多くの時間を過ごす部屋。
自分で安全に動けるよう、床にマットレスを敷いたり、低いベッドを使用するのがおすすめです。
子どものための空間を考えるとき、子ども自信は要望を出せません。
教育しやすい空間ではなく、成長しやすい空間、子どもが自分で行動できる空間を作るため、
大人が子どもの目線に立って環境を整えることが大事ですね。
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