これからは建築を3Dプリントする時代。
海外では様々な企業が3Dプリントを導入した建築を開始しています。
デジタルファブリケーションと建築の今 ロボットが建築をつくる世界はいつくるの?
TECLAはその先、現地の土を使って3Dプリントします。
それの何がスゴイのか知るためには、まず現在の建築業界が抱える課題に触れていく必要があります。
建築業界の課題
現在の建築業界は様々な課題を抱えています。
建設からでる廃棄物
建物を建築する際、あらゆる工程で様々な廃棄物がでます。
コンクリートを施工する際の型枠、石膏ボードや壁紙のあまり、etc…
実に多種多様な廃棄物が出るわけです。
便利だけど課題が多いコンクリート
様々な建築で使われるコンクリート、それだけ使われている通りとても便利な素材、世界中で2番目に使われている素材とも言われるほど。
が、実は多くの課題を抱えています。
コンクリートは持続可能になるのか上記記事でまとめている通り、世界の産業におけるCO2排出量の約10%はコンクリートの製造等から出ています。
TECLAの特徴
ここまでみてきた通り建築業界は様々な課題を抱えているわけですが、TECLAでは紹介した課題を解決した建設が可能となります。
3Dプリント
3Dプリントといえば、最近では家庭用3Dプリンターが出てくるほど身近なものになりましたが、その特徴といえば無駄な材が要らないことでしょう。(もちろん、プログラミングの過程でテストを行う必要はありますが)
これは建築においても同じこと、端材を出さない建設が可能となります。
マテリアル
つぎは素材についてみていきましょう。
課題の話で触れた通り、コンクリートはかなりのCO2排出量をほこっており、多くの3Dプリント建築はコンクリートで構成されています。
その中でTECLAは冒頭でも触れた通り、現地の土を使って構成されます。
では、なぜ現地の土を使うと良いのか。
▶︎現地の土といっている通り材料は現地調達、そのため材料を現地に運ぶためにでる温室効果ガスはほとんど無い。
▶︎コンクリートには生分解性(物質が微生物などの生物の作用により分解する性質)があまりありません。が、土を使っているため、TECLAは解体後土に還ることができる。
まとめてしまうと、TECLAは無駄な材が出ず、運搬により出る温室効果ガスも少なく、土に還ることができる住宅プロジェクトというわけですね。
では、TECLAは日本で住宅を作ることは可能なのでしょうか?
答えは、現状では不可能と言わざるを得ないでしょう。。
知っての通り日本は地震大国で、その分建築に求められる基準も高いものとなります。
海外では建築できても、そのままでは日本では建築はできません。建築基準法の適用範囲外の規模であれば可能ですが。
ですが、だからこそ日本におけるサステナブルな建築の作り方は登場するはず。
世界ではここまで進んでいる、建築業界での持続可能性を探る意識、それはきっと日本でも起こり始めているはずです。
私たちにできることは、「とりあえず今まで通り、、」とはせず、新たなソリューションに気づき、取り入れていくことが大切なのだと思います。
ー追記ー
TECLAのスゴイところを図解しました!
今回の原文、画像引用元はこちら