今回、ご紹介するのは、ケニアの首都ナイロビを拠点とするスタートアップ企業「Gjenge Makers」
廃プラスチックを建築材料に変える活動を行っています。
この、「廃プラスチックから建築材料を作る」という活動自体は、様々な国でおこり始めていますが、
Gjenge Makersが「ナイロビ」を拠点とすることに大きな意味があります。
プラスチック大国ケニア
JICAが行った「ケニア国使用済みペットボトル再資源化のための案件化調査」
https://openjicareport.jica.go.jp/pdf/1000044339_01.pdf
によると、現在、ケニア国内では年間40,000 トンのペットボトルが生産されており、生産量は今後も増加していく見込み。
にもかかわらず、ほとんどの使用済みペットボトルは「ごみ」として廃棄されている。
すでに埋立処分場は許容量を大幅に超え、燃焼に伴う周辺環境の大気汚染、海洋汚染や野生動物や魚類等の誤飲等などにより、生活環境に様々な悪影響を及ぼしている。という現状があります。
数字として見ると、2019年において、ケニア国内で発生する使用済みペットボトルのうち、再資源化されているものは約12%と見込まれ、日本の84.7%、欧州の58.2%と比較してかなり低い数値となっています。
特別なものは使わない
ペットボトルの大量生産に対して、再資源化の整備がまだまだ進んでいないケニア。
Gjenge Makersは当初、リサイクル業者に販売するために、プラスチックを収集・選別する、という事業でした。
ですが、再資源化のインフラが整備されていない現状から、自社で再資源化を始めていくこととなります。
再資源化の方法はシンプルで、廃プラスチックと砂を高温で混ぜ合わせ、圧縮することで耐久性のあるレンガを生産します。
Gjenge Makersのサイトによると、コンクリートブロックの2倍の重量を保持することが可能なのだとか。
製品としては、厚さは60mm(道路向け)から30mm(歩道向け)、様々な色も用意しかなりのニーズが見込めそう。
雇用も生み出すソリューション
Gjenge Makersの活動で面白いのが、廃プラスチックを減らす、だけでなく、地域社会に雇用を生み出している、ということ。
雇用者数は112人とまだまだ少ないですが、ニーズの大きい産業なだけに、これからさらに伸びることが期待できそうです。
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ケニアにおけるプラスチックの再資源化はまだまだ注目の産業となりそうです!
ただ、疑問としては、作り出した製品がいずれ廃棄されるときに再資源化できるものであるか、というところ。
特に今回は完全に混ぜ合わせているため、プラスチックを再度抽出することは難しそう。ですが、コンクリートの骨材にする、等のような再々利用方法が出てくるとまた面白そうです。
今回の原文はこちら
Gjenge Makers – Build Alternatively, Build Affordably,Build Sustainblygjenge.co.ke